熱き心のキックボクサー・邦博のインタビューです。

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この試合が最後発言など、本人の苦悩のキック人生と試合に臨む覚悟が…。

ご覧下さい。

「KICKBOXING ZONE 3 沖縄大会」(9月13日、カデナアリーナ)で、ムエタイ戦士ジョッキーレック(GTジム)を地元で迎え撃つ邦博(真樹ジムオキナワ)。「進退を賭ける」と強い気持ちで戦う今大会へ向けてはもちろん、自身のキックのルーツを語った。

――いよいよ大会が迫ってきて、仕上がり具合はいかがでしょうか。
邦博 いつも通りであとは減量だけです。試合によっては相手のスタイルに合わせて少し変えたりすることもあるんですけど、今回はタイ人なので真っ向勝負しようと思います。
――5月の試合(1R TKO勝利)で右手親指を負傷したとのことですが……
邦博 はい、粉砕骨折をしてその後に手術をして、医者からはオッケーが出たんですけど、今の調子だとまたきれいに当たったら折れるんじゃないですかね。でも、折れるんだったらしょうがない、ぐらいに思ってます。ボクシングスパーとかは控えて、右のパンチもあまり出していないんですけど、本番では使います。今度の試合は進退を賭けていくつもりだし、折れてもいいぐらいの気持ちがあります。もう今度の相手ぐらいのレベルのタイ人に負けたら、強い日本人の選手とやっても誰にも勝てないと思うので、折れてもいいぐらいの気持ちで戦います。
――対戦相手ジョッキーレックの情報は何か得られていますか?
邦博 映像はちょっと見たんですけど、タイ人ぽいなって。でも僕はあまり相手の研究はしないんです。数回チラッとDVDを見て、「こんな感じか」って分かれば、それで大体こんな試合になるだろうなっていうイメージはできます。今回もいつもと同じ感じで2、3回DVDを見て、それよりとにかく自分の動きができるよう意識しています。
――今回はZONE初の沖縄大会ということで、邦博選手のことをより深くお聞きしていきたいのですが、そもそもキックはどうして始めたのですか?
邦博 19のころ期間従業員で1年ぐらい愛知県へ行っていたんですけど、その時住んでる寮の近くに小さなムエタイジムができて、そこに暇だったので通ってハマった感じです。そのジムにはタイ人のトレーナーもいて。それでプロにもアマチュアにも出ていなかったんですけど、「タイで試合してみるか?」って言われて、当時は全然知識とかがなかったから「試合だ」と思って、「じゃあ行きます」ってやって。もう速攻ミドルで左腕を折られて帰ってきました(笑)。
――いきなりそんな目に遭って、よく嫌にならなかったですね。
邦博 そういうのは全然なくて、悔しいなぐらいで(苦笑)。それで沖縄に戻って、プロになろうと思って真樹ジムに入門して、そこからプロのライセンスを取ってデビューしました。
――愛知時代に1年練習して、その最後にタイで試合をしたのですか?
邦博 1年もやってなくて半年ぐらいですかね。まぁ、いま思えばメチャクチャです(苦笑)。
――キック以前に何かスポーツはしていたのでしょうか。
邦博 小中高はずっとハンドボールをやっていました。なのでハンドボールの時に培った身体能力が今になって活きているのかなって思います。
――ハンドボールは肉体的にハードなイメージがあります。
邦博 しかも沖縄はどこの学校にもハンドボール部があるぐらいハンドボールが盛んなんですけど、僕たちの学校は全国制覇をしたり、すごく強い学校だったんです。なので今思うと練習もハードだったし、キツかったですね(苦笑)。でも基礎体力だったり、あの時に培ったものが今すごく役立っていると思います。
――やはりそういう下地でもなければ、半年の経験でタイで試合をしようとは思わないですよね(笑)。
邦博 だからキックボクシングを始めた頃はすごく自信があったんです。でも、蓋を開けてみたら全然通用しなくて、それで逆に燃えたのかもしれないです。
――そういったところからキックを始めて、今回は進退を賭けるぐらいの気持ちがあると。
邦博 はい、そうです。でも最近は地元できれいに勝った試合がないので、沖縄には僕がいるんだぞっていうのをみんなに見せたいですね。東京でやる時はいい感じで動けるんですけど、なんかホームだと逆に動きが悪いんですよね(苦笑)。
――それはどうしてだとご自身は思っていますか?
邦博 やっぱりいろいろ緊張とかあるんじゃないですかね(苦笑)。沖縄でやる時は“いい試合をしないといけない”、“倒さないといけない”っていう衝動に駆られてしまって。逆になんかアウェーに乗り込む方が燃えるんです。でも、それも含めて、今回はもろにホームですけど、アウェーに乗り込む気持ちで必ず勝ちたいと思います。琉球かきだみし協会